昔から「ワカメを食べると髪が生える」なんて言われていますよね。薄毛に悩む30代、40代男性なら、藁にもすがる気持ちで試した方もいらっしゃるかもしれませんが、それって本当なのでしょうか?そして、他に薄毛に効く食べ物はどんなものがあるのでしょうか?
本稿では、栄養と薄毛の関係について迫っていきたいと思います。
ワカメは髪に良い!けど……
結論から言うと、ワカメを始めとする海藻類は髪の成長に良い働きをする食材です。しかし、ワカメだけを大量に取ったり毎日コンスタントに食べても、髪の成長が改善する訳ではありません。
その理由を紐解きながら、髪に必要な栄養素を見ていきましょう。
髪の材料はタンパク質!
毛髪の主成分は、ケラチンというタンパク質の一種です。当然ですが、髪の材料であるタンパク質が不足していると、髪が増えたり太くなったり出来る訳がありません。
ワカメを始めとする海藻類は、タンパク質を多く含む食材ではありません。というよりも、ワカメにはタンパク質が殆んど含まれておらず、生ワカメ100gのタンパク質含有量は僅か 3g しかありません。
タンパク質を多く含む食材は?
では、どんな食材に多くタンパク質が含まれているのでしょうか?
タンパク質は、大きく動物性タンパク質と植物性タンパク質に分けられます。
動物性タンパク質は肉や魚、分かりやすいですね。肉なら鳥の胸肉やササミ、魚なら白身魚が低脂肪、高タンパクでおすすめです。また、牛乳などの乳製品や卵もタンパク質豊富です。
植物性タンパク質が多く含まれているのは、何といっても豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品です。動物性タンパク質よりも脂肪分が控えめでヘルシーなのも良いところです。
大豆イソフラボンに育毛効果?
そして、大豆にはタンパク質に加えて薄毛に嬉しい効果があると言われています。それは大豆に含まれるイソフラボンという成分です。
イソフラボンは体内で、女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをし、薄毛の因子となる男性ホルモンの一種、DHTの働きを抑制すると最近の研究で報告されているのです。
髪を作るにはミネラルが必要
髪はタンパク質の一種から出来ていますが、タンパク質から髪を作るには鉄分などの無機物、つまりミネラルが必要です。
ワカメなどの海藻類にはこのミネラル分が豊富に含まれており「ワカメは髪に良い」と言われる所以なのです。
不足しがちなミネラル亜鉛を摂ろう!
ミネラルの中でも、最も髪との関わりが強いのが亜鉛です。亜鉛は、タンパク質から毛髪の主成分のケラチンを形成する働きがあります。
同じミネラル類でも、マンガンなどは普通の食生活をしていれば不足することは無いのですが、亜鉛は欠乏しがちなミネラルと言われています。
亜鉛が多く含まれている食材は?
亜鉛は、前述の海藻類の他、貝類・豚レバー・牛肉・ゴマ・ナッツ類に多く含まれてます。このリストを見ていただければ分かるように、やはり意識して多く摂るのが難しい食材が多いですよね。
亜鉛のサプリメントは薬局で比較的安価で売られていますので、そちらを利用してもいいでしょう。
辛いものも髪にいい?
俗に「辛いものを食べすぎるとハゲる」などと言いますよね。しかし、最近の研究では逆に、トウガラシなどに含まれるカプサイシンが髪に良いという説があるのです。
トウガラシなど辛いものを食べると、体がポカポカ暖かくなりますよね。これはつまり、カプサイシンによって発汗や血行が促されている状態です。当然頭皮も同じ状態になり、毛穴の老廃物が洗い流されたり毛根の血行が良くなる訳ですね。
ちなみに「カプサイシンがIGF-1という発毛に関わる因子の働きを活性化する」という説もあるのですが、控えめに言ってもまだ研究段階のようです。しかし、前述の発汗、血行促進作用だけでも十分試す価値はあるでしょう。
まとめ
健康な髪に必要な栄養素は、タンパク質と亜鉛等のミネラルということが分かりましたね。
過度のダイエットや肥満は健康だけでなく髪にとっても大敵です。バランスの良い健康的な食事を心がけて、髪も健康にして下さい!