薄毛と遺伝の関係を理解する。男性ホルモンは悪ではない!


薄毛と遺伝の関係を理解する。男性ホルモンは悪ではない!

30代・40代男性なら、誰もが心配な薄毛の問題。特に気になるのは、世間でまことしやかに言われている「薄毛は遺伝する」という説ではないでしょうか。

本稿では薄毛のメカニズムから「薄毛は遺伝するのか?」という問題、そしてその対策に迫ってみたいと思います。

薄毛の因子が遺伝する

「薄毛は遺伝する」これは、半分正解で半分不正解と言えます。

正確には、薄毛を発生させる因子の多寡が遺伝するのです。これを理解するには、薄毛のメカニズムについて知る必要があります。やや専門用語が連発する説明になりますが、お付き合い下さい。

薄毛の元凶ジヒドロテストステロン

いきなり舌を噛みそうな専門用語で恐縮ですが、ジヒドロテストステロン(以下DHT)は「薄毛のラスボス」と言っても過言ではない、薄毛の真因・元凶です。DHTが発生すると、毛母細胞の分裂を抑制する働きをしてしまい薄毛を引き起こすのです。

DHTは男性ホルモンから変化する

さて、DHTはどうやってできるのでしょうか?

DHTは、男性ホルモンの一種であるテストステロンに5αリダクターゼという酵素が結びついて変化(医学的には代謝)したものです。体の中から薄毛の因子が生まれてしまうんですね!

やっと遺伝の話です

薄毛の遺伝でキーポイントになるのは前述の5αリダクターゼです。

DHTを作る5αリダクターゼという酵素の多寡はかなり個人差があり、これが遺伝することによって薄毛のになり易さが遺伝すると考えられています。

しかも、悪いことに5αリダクターゼは優性遺伝します。例えば父方の家系に5αリダクターゼが少なくても、母方に5αリダクターゼが多ければ優先的に遺伝してしまうのです。

遺伝子には勝てないのか?

薄毛には、遺伝が大きく関わっていることが分かりましたね。では、5αリダクターゼが多い家系に生まれてしまったら、もう成す術は無いのでしょうか?

……いいえ、そんなことはありません。ここで鍵になるのが、先ほどチラッと登場したテストステロンなのです。

テストステロンとは

テストステロンは男性ホルモンの一種で、骨格形成や筋量の増大など「男らしさ」に強く作用します。心理的にも、テストステロンの多い人は闘争心が高い傾向があります。

男性ホルモンは悪ではない!

ここで訂正しておきたいのが「男性ホルモンが多いと薄毛になる」という誤解です。テストステロンは「男らしさ」に作用しますが、それ自体は薄毛に作用しません。

テストステロンがDHTに変化してはじめて薄毛に作用するのです。ちなみにDHTは体毛を濃くする作用もあるので、一般的に言う「男性ホルモン多そう〜」(誤解ですが!)な見た目になってしまうのですね。

テストステロンが減るとDHTが増える

DHTの原料とも言えるテストステロンですが、不思議なことにテストステロンが減少するとDHTが増加する傾向にあります。逆もまた真なりで、テストステロンが増えるとDHTは生産されにくくなるのです。

テストステロンを増やす習慣とは?

では、テストステロンを増やすにはどうすれば良いのでしょうか?通常、加齢に伴って30代ぐらいから徐々にテストステロンは減って行くのですが、生活習慣でテストステロンを増やすことが出来るのです!

筋力トレーニングなどの運動

筋力トレーニングなどの運動を定期的に行えば、テストステロンが増加します。ジョギングのような軽負荷、長時間の運動より、短時間でも負荷の強い運動のほうが効果があります。

亜鉛を摂ろう

亜鉛は、テストステロンの分泌に大きな役割をしています。牡蠣やレバーなど亜鉛を多く含む食品を食べるほか、亜鉛のサプリメントも安価で手に入るので利用するといいでしょう。

テストステロンを減少させるあれこれ

太り気味の人はテストステロンが少ない傾向にあります。また過度のストレスや飲酒、睡眠不足も大敵、テストステロンを減少させますので避けるようにしましょう。

まとめ

遺伝でどうしようもない、と思われた薄毛ですが普段のちょっとした心がけで改善できることもあるのですね。

薄毛が心配な30代・40代男性の皆さん、ぜひ健康な髪と身体を手に入れるべく頑張って下さい!